2017年10月2日月曜日

カタルーニャの独立志向

 スペインのカタルーニャにおける独立を問う投票で圧倒的多数の賛成票が投じられた。
 「スペイン北東部カタルーニャ自治州政府は、1日に実施した自治州の分離独立を問う住民投票で226万人が投票し、90%が独立に賛成したと明らかにした。投票率は自治州の有権者数534万人に対し約42.3%。」(マドリード 2日 ロイター) 
 この結果を中央政府は認めていないので実効性あるものになるかどうか予断を許さない。
 スペインのバスクとカタルーニャはそれぞれ独自の文化と言語をもつ。
 1939年スペイン内戦後、独裁者となったフランコ将軍は内戦時の敵対勢力の中でも特に独立志向の強いこの2州に対しては他より強く弾圧した。独自言語を公用語として使用禁止にするなどはその一例である。
 昨日の投票結果は中央政府への反発とカタルーニャ民族主義に起因すると言われる。
 だがそれに劣らずカタルーニャがスペインGDPの2割を占める経済の中心になっているにもかかわらずその恩恵を十分受けられない不満が原因であるとも言われている。自州の富が貧しい州に使われているという不満である。 
 スペインからの独立はカタルーニャの念願である。安全保障など問題はあるもののまずは独立を優先する気風がありなにかのキッカケで今回のような独立運動が行われてきた。
 欧州にはスペイン以外にもイギリスのスコットランド、ベルギーのフランドルなど独立志向が強い地方がある。
 翻ってわが国はどうか。東京都の小池百合子知事が立ち上げた「希望の党」への民進党の突然の合流は政党の常識から信じられない行動である。
 政党とは基本部分の主義主張を同じくするものの集団であるはずである。もっとも民進党はそれが右も左も揃えたデパートのような政党であり、解党して出直したほうがよいと言われてきた。
 ところが今回の騒動で当の民進党はそのような批判など意に介しないように当然のごとく党まるごとの合流を望んだ。 兄弟の主義主張が違っても同じ家族じゃないかというノリなのだろうか。さすがにまるごと合流は実現しないようだがいかにも日本的なドタバタ劇である。
 独自の文化と言語をもつ独立志向のカタルーニャ、一方なりふり構わず合流へと雪崩をうつわが国の野党第一党。お国柄とはいえこの隔たりは大きい。

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