2014年3月21日金曜日

カンボジアの憂鬱

 カンボジアを旅行した。2009年以来2度目となる。

 カンボジアは、内戦終結の1975年から1979年の4年間ポルポト政権下の暗黒の時代の影が未だに色濃く引きずっている。
 ポルポト政権の弾圧からの解放直後の人口構成は、国民の85%が14歳以下であった。
 カンボジア人の大人の大多数が殺された。現在40~50歳のカンボジア人は大多数がその親を殺されたということになる。
 内戦およびポルポト政権の虐殺は200万人とも300万人とも言われ数さえ特定できていない。
 解放四半世紀後の人口構成からもその異常さが読み取れる。(下図)
 ポルポトという一人の狂信的な原始共産主義信奉者によってもたらされた悲劇は、ナチスドイツのヒットラーによる悲劇に勝るとも劣らない。
 時代が進み、文明が発達しても、悲劇は繰り返されてきた。
 将来も繰り返されないと誰も保証などできない。一人の人間にすみついた狂気は、どんな細菌より恐ろしいことをまざまざとみせつけられた。
 クメール(カンボジア)人は、もともと、穏やかで優しく、信心深いといわれている。が、その表情は暗い。
 本来の穏やかで優しく、南国特有の明るい表情が戻るにはまだまだ時間がかかるのだろう。

 今回は、カンボジア遺跡観光でバケン山での夕日鑑賞があった。
 どのようなすばらしいものかと期待したが、日本のどこからでも見られる夕日と変わりないものであった。
 ただ一つ感動したのは、夕日鑑賞にきた人の感動した表情であった。めったに見れない一大天体ショーでもあるかのごとく人々は興奮した表情であった。



  これは『ロンリープラネット』や『地球の歩き方』などの旅行ガイドブック、あるいは旅行会社の宣伝が行き渡っている効果にちがいない。
” 観光の正体見たり夕日ショー ”

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