2012年10月8日月曜日

日本破綻論

 日本の財政は借金だらけでGDPの200%を超え、まもなく破綻すると、いう人がいるかとおもえば、日本の借金は国民に対しての借金だから何も問題なく財政は破綻しないという人がいる。
 この議論はバブルが弾けてから議論され、特に、最近は消費税導入に絡めて話題になってきた。
 考察の前提として、財政の破綻とは何か、この定義づけが必要である。破綻するとは、個人のばあい、借金が多く、これを返せなくなり破産すること、国のレベルでいえば、国債を償還できなくなること、ロシア、アルゼンチンが実際、償還できなくて、破綻した。 最近では、ギリシャ等南欧諸国が、危ないといわれている。
 この定義づけに従えば、日本は絶対に破産することなどありえない。
 日本国債は、100%円建てであり、かつ91%が国内で消化されているからである(2012/9末)。
 償還に困るようなことになれば、日本政府は子会社の日銀に命じ、円を増刷すればよい。
 コストは円の印刷費ですむ。法律上できなければ、改正するだけである。
 破綻するくらいなら、国民は法律改正を選ぶだろう。北海道の夕張は財政破綻した。大阪の和泉佐野市は破綻寸前に追い込まれ自らの市名を売りに出すほど困った。
 いずれも通貨発行権がないからである。
 日本政府には通貨発行権という伝家の宝刀があるため、日本国は債務不履行にはけして陥らないのである。
 しかし、伝家の宝刀は、普段は使わず、ここ一番の起死回生に使うのが昔からの習い。
 この慣例に従わず、現下の情勢のもと、日銀が際限もなく、国債を引き受けたらどうなるか。現下の情勢、、毎年の国の収支、プライマリーバランスがマイナスで、かつ、デフレーションがいつまでも脱却できない情勢での大量の国債を引き受ければ、国債の価格が暴落し、長期金利がはねあがる。
 今、EUで長期金利が問題になっているのは7%であり、これを超えると、危険水域といわれている。
 いくら、日本国債が、円建てで、国内向けが大半とはいえ、収支赤字とデフレ継続のままでの、日銀による大量の国債引き受けは、長期金利が7%にせまり、国債価格は暴落する。国際価格が暴落すれば、これを大量に保有している、ゆう貯、メガバンク、年金基金、損保、生保等金融機関の経営がおかしくなる。
 金融機関の経営がおかしくなれば、いつか来た道で、失われた20年の再来となる。
 こうなっても、前述の定義に従えば、日本政府は財政破綻しないが、国民生活は破壊される。
 政府は生き延びても、国民生活が破壊されれば意味がない、これは破綻というしかいいようがない。
 したがって、EUの例にならい、長期金利7%超えを、財政破綻と定義づけすれば、条件さえととのえば、日本の財政は破綻する。 現状、プライマリーバランスはいっこうに改善せず、マイナスインフレで、名目GDPは成長しない状態のまま、日銀による大量の国債引き受けを一気に行えば、長期金利は、高い確率で7%を超えるだろう。
 日本の財政が、現状のままでいいという人は殆どいない。何とかしなければならないと皆が皆思っている。財政再建は、与野党を問はず、声高に叫ばれて久しい。どうすればいいのか。専門の学者の知恵でもかりれば解決するのか。
 これも、あてにできない。彼らの知恵に頼って解決するのであれば、とっくに解決している筈である。
 次回、財政再建につき、考察したい。

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