2016年11月7日月曜日

ピコ太郎現象

 シンガーソングライターのピコ太郎の歌 PEN-PINEAPPLE-APPLE-PENが動画You Tubeで9月下旬から突如異常なほど再生されている。
You Tubeのミュージック全世界トップ100の数字(下表)がそれを示している。
期間       ランク        再生回数(百万回)  9/23~9/29        2             54.8
9/30~10/9        1             134
10/7~10/13         1                120
10/14~10/20       1            77.4
10/21~10/27          2            56
 またアメリカの音楽チャートBillboard誌のTHE HOT 100 10/29に日本人として松田聖子以来26年ぶに77位にランクインした。ランクインした曲で史上最も短い曲であることが判明した。
 外国特派員協会が主催する会見ではいまのところ今年度誰よりも多くメディアの記者が取材した。海外大手メディアのTIME BBC CNNなどもその会見模様を報じた。
 その人気の原因としていくつか挙げられている。シンプルでコミカル、バカバカしい(ridiculous)、時間が短い(45秒)、Twitterのフォロワー数が8800万人を誇るカナダのミュージシャン ジャスティン・ビーバーが、自身のTwitterにて”お気に入りの動画だ”とツイートしたこと、などなど。
 これらが人気の原因であることに違いはないだろうが、どうも決め手に欠ける。他の多くの動画にも似たようなことが言えるからである。
 この動画を見たある社会学者はなんでこれほど人気になるのか自分には理解できないと言った。人気になるまでの過程を分析、検証してみたいとも言った。
 再生回数が示すようにこの現象は一時的なもので、この一例だけで意味のある社会学的分析は困難である。
 この動画を見て、そこに何らかの意味を見出そうとか、理解しようとかしてもムダだとすぐ分かる。
 作者も言っているようにこの歌が何かを意図しているものではない。強いていえばこの歌が人びとに考えることを放棄させるような作用がありそれが人気の秘密となっているのかもしれないが、それも一つの推測にすぎない。
 ただこの歌が一時的にせよ爆発的な動画再生回数を記録したのは世相の一面を強く反映しているとだけは言える。その世相が何であるかはっきりと分からないが。

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