例えは悪いが、第一次大戦後のドイツで、アドルフ・ヒトラーが僅か7人の政治結社に参加したのを連想させる。
ヒトラーはその後、軍事で欧州を席巻したが、アメリカもTPPに参加し、関税撤廃の嵐で太平洋を取り巻く諸国を席巻しつつある。
日本が参加すれば、なおさらその感が強い。もっともヒトラーは政治結社参加時は、単なる退役一伍長に過ぎず、アメリカのようにはじめから席巻することを約束された存在ではなかった。
アメリカのオバマ政権の重要政策の一つに輸出倍増があるが、TPPはこのアメリカの施策の一つに組み入れられ、日本の参加を期待しているのは間違いないだろう。
戦後アメリカは、日本に様々な要求を投げかけ、日本の歴代政権はこれに答えてきた。
日米構造協議、年次改革要望書、そして現在の日米経済調和対話と名前は変わったが実態は変わっていない。
建前は、日米夫々の要望を出し合う協議の場だが、実質は一方的であったことは成果が示すところである。
日米経済調和対話(UNITED STATES-JAPAN ECONOMIC HARMONIZATION INITITAIVE)は様々な分野に及んでいる。折にふれ取り上げられる農業問題だが、これに矮小化すべきような事柄ではない。
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20110304-70.html
大きな流れでみれば、TPPは、この日米二国間協議の延長戦上にあると思って差し支えないだろう。
アメリカの意図がTPPを輸出倍増計画の一つに組み入れられているにしても、その他の意図はないのだろうか。アメリカの意思決定はどのような背景から成り立っているのだろうか。
日本もそうだが、アメリカでも政権が変わっても変わらない基本的な国の方針というものがある。
日本では、その役割を、ゆるやかではあるが官僚が担って来た。
アメリカはどうか。アメリカには、官僚ではない組織がその役割を担ってきた。
外交問題評議会、ビルダーバーグ会議、日米欧三極委員会などがそれであろう。
歴史家アーサー・シュレジンジャーは、特に外交問題評議会(Council on Foreign Relations)を指して、アメリカの支配階級の中枢部のための隠れ蓑組織と評した。
事実これらの組織は、会合の内容が一切公表されず、秘密のままである。この組織の凄さは、メンバーにアメリカの支配階級の殆どを網羅しており、その中には有名なメディアの経営者も含まれる。
これらのメンバーは、民主党政権だろうが、共和党政権だろうが、政権が変わっても変わることはない。
1991年三極委員会でのデヴィッド・ロックフェラーのスピーチがそれを裏付けている。
「ほぼ40年にわたって ワシントンポスト ニューヨークタイムズタイムマガジン そしてその他偉大なる出版社の取締役が我々のミーティングに参加してくれ、公表しないで、静かにしくれていたことに感謝している。
それらの年月の間 もし我々が世間の注目の明るい光の中に出ていたなら 我々の計画を発展させることは不可能だったろう。
しかし世界は今さらに洗練されて、世界政府に向けて行進する準備は整っている。
その超国家的な知的エリートと国際銀行家の支配力は 確かに過去の世紀の国家が自分で決めていたやり方より望ましいものだ」
三極委員会や外交問題評議会を伏線としてTPPを見てみよう。
デヴィッド・ロックフェラーとは逆の立場でTPPをみる米市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウオラックの指摘は、三極委員会でのデヴィッド・ロックフェラーのスピーチと、見事に裏返しとなっている。
同女史は言う、TPP全26章のうち貿易関連は2章のみで、その他は企業に特権を与えるもの。TPPは秘密につつまれ、TPPを監督する立場の上院貿易委員長さえも草案にアクセスできない、トロイの木馬である。
TPPは、三極委員会でデビッド・ロックフェラーが述べたように、秘密にしてこそ成功できるもので、白日のもとに晒されたら失敗する。いはばドラキュラである。
事実TPP担当のカーク通商代表は、なぜ交渉経過を秘密にするのかと聞かれ、FTAA交渉は公開したら暗礁に乗り上げたからと回答している。
TPPは秘密裡に進められる上に、一度固まったら全員が同意しないと変更できないセメントのようなもの。
同女史はこのように述べ、TPPの目的は、1%の企業家の利益のためであり、米国民やその他の国民のためのものではないと断じている。
それらの年月の間 もし我々が世間の注目の明るい光の中に出ていたなら 我々の計画を発展させることは不可能だったろう。
しかし世界は今さらに洗練されて、世界政府に向けて行進する準備は整っている。
その超国家的な知的エリートと国際銀行家の支配力は 確かに過去の世紀の国家が自分で決めていたやり方より望ましいものだ」
三極委員会や外交問題評議会を伏線としてTPPを見てみよう。
デヴィッド・ロックフェラーとは逆の立場でTPPをみる米市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウオラックの指摘は、三極委員会でのデヴィッド・ロックフェラーのスピーチと、見事に裏返しとなっている。
同女史は言う、TPP全26章のうち貿易関連は2章のみで、その他は企業に特権を与えるもの。TPPは秘密につつまれ、TPPを監督する立場の上院貿易委員長さえも草案にアクセスできない、トロイの木馬である。
TPPは、三極委員会でデビッド・ロックフェラーが述べたように、秘密にしてこそ成功できるもので、白日のもとに晒されたら失敗する。いはばドラキュラである。
事実TPP担当のカーク通商代表は、なぜ交渉経過を秘密にするのかと聞かれ、FTAA交渉は公開したら暗礁に乗り上げたからと回答している。
TPPは秘密裡に進められる上に、一度固まったら全員が同意しないと変更できないセメントのようなもの。
同女史はこのように述べ、TPPの目的は、1%の企業家の利益のためであり、米国民やその他の国民のためのものではないと断じている。
デヴィッド・ロックフェラーとロリ・ウオラック両者の意見から、どうやらTPPを理解する上でのキーワードは、”1%”と”秘密主義”であるようだ。
我々は、アメリカは、自由で開かれた民主主義国家であり、秘密主義など、共産主義国家の専売特許で、アメリカとは関係ない、などと考えているとしたら、とんだ考え違いをしていたことになる。
ともかく日本政府は、このような経済協定交渉に参加する意思表示の手を挙げた。
正式参加できるか否か、予断は許さないが、国益の見地から当否につき、引き続き考えてみたい。
我々は、アメリカは、自由で開かれた民主主義国家であり、秘密主義など、共産主義国家の専売特許で、アメリカとは関係ない、などと考えているとしたら、とんだ考え違いをしていたことになる。
ともかく日本政府は、このような経済協定交渉に参加する意思表示の手を挙げた。
正式参加できるか否か、予断は許さないが、国益の見地から当否につき、引き続き考えてみたい。
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