加計学園に関連する話題の主役・前文部科学事務次官の前川喜平氏についての情報が次第に明るみになってきた。
彼は2017年1月20日次官を退任したが、退任の理由は本人や巷間でいわれているような天下り斡旋の違法行為ではなく出会い系バー通いであったらしい。
彼のスキャンダルで累が及ぶのをさけるため安倍政権が彼に詰め腹を切らせたのだという。それが証左に天下り斡旋について処分が下されたのが2017年3月30日であった。
また文科省の"総理のご意向”なる文書を作成したのは文科省から内閣府へ出向している文科省高等教育局課長補佐であった。
文書の目的は獣医学部新設が事実上家計学園に決定したことへの弁明と捉えられている。本省の意向が働いているという見方が強い。
獣医学部新設については、既に2015年6月30日に 5-1項で閣議決定されている。
獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
(1)現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、
(2)ライ フサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な 需要が明らかになり、かつ、
(3)既存の大学・学部では対応が困難な場合 には、
(4)近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年 度内に検討を行う。
( )内は追記
前川氏はこの4項目が挙証されないのに獣医学部新設が事実上決定されたのは内閣府のゴリ押しで行政が歪められたと主張している。
だが、上記4項目の挙証とりまとめ所管は文科省であり期限は2016年3月末であった。
この期限に間に合わず獣医学部新設が事実上認められた。しかも2016年9月16日の国家戦略特区ワーキンググループ議事録で文科省、農水省、内閣府出席のもと確認されている。
本件については文科省と内閣府の主張が異なり真相は藪の中であるが、公開された議事録から判断すれば”総理のご意向”とか"官邸の最高レベルの意向”の余地はない。
それにしても前川氏は時の人にふさわしくその言動はユニークだ。
幾つか列挙してみよう。
・出会い系バー通いをする。彼の先輩の元次官も通っていたらしく、無理に解釈すれば先例踏襲といえなくもない。少なくとも免罪符の一つにはなる。
・出会い系バー通いの理由を問われて、女性の貧困の実地調査だと強弁している。内心はともかく決して間違ったことをしたとは言わない。誤りを認めない役人の無謬性の原則を守っている。
・実家は政治家に強いコネクションを持つ実業家、実妹は元文科相の妻という毛並みの良さ。
・官僚は虎の威を借りないと動かないことを熟知している。"官邸の最高レベルの意向”を文科省から内閣府へ出向した部下がメモに残している。
・獣医学部新設検討については文科省はやるべきことはやったが、農水省の協力も得られず、戦略特区の旗印のもと内閣府に強引に押し切られたと責任転嫁する。
元経産官僚の岸博幸氏は面従腹背を座右の銘にする前川氏を官僚のクズといったが、上のように官僚に要求されるであろう資質を十二分に兼ね備えている。
クズどころか最も官僚らしい官僚、出世をひたすら目指す官僚の鑑。
言葉では、入省時の青雲の志を語り、行動では頑固なまでに役所の掟に従う。
退官後の一連の発言の真意は本人にしか分からないが、これがもとで一時的にせよ安倍政権の支持率が10%以上も下落した。
政権に対し敵対の意図はないというがこれもまた前川流の面従腹背なのだろうか。
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