プーチン大統領とは如何なる人物か。
「 『プーチン大統領が行った、チェチェンをはじめ国内の反政府主義者に対する弾圧、そして国内のジャーナリストの暗殺、さらには民間資本家に対する略奪行為は、歴史にも比類がないほど非情でおぞましいものだ』 ロシア専門家で、アメリカの保守的シンクタンクであるアメリカンエンタープライズのレオン・アロン博士は、このように厳しくプーチン大統領を指弾しているが、このプーチンの残虐なやり方を、日本はじめ世界の人々はなぜか見過ごしてきた。(中略)
ユダヤ系ロシア人でアメリカでも活躍しているジャーナリストのマーシャ・ゲッセンは『顔のない男』という著書の中で、”プーチンほど残虐な指導者はいない”と非難している。」
(日高義樹著徳間書店『アメリカはいつまで日本を守るか』)
マーシャ・ゲッセンは、同書でプーチンを 『病的な泥棒で、生まれつきの犯罪者だ』 とまで決めつけている。
少なくともこのような一面を持っているかもしれない人物が核のボタンを手中にしている。
そしてその核兵器は世界一の軍事大国アメリカが保有する核兵器とほぼ匹敵する。(下図)
核による傘とか核による抑止とかいわれてきたがそれが絶対的な安全を保障するものでないことを改めて思い知らせるプーチン大統領の発言である。
国名 | 戦略核 | 戦術核 | 予備/非配備 | 保有核 | 総数 |
ロシア | 1600 | 0 | 2700 | 4300 | 8000 |
米国 | 1920 | 184 | 2661 | 4765 | 7315 |
フランス | 290 | ─ | ? | 300 | 300 |
中国 | 0 | ? | 180 | 250 | 250 |
英国 | 160 | ─ | 65 | 225 | 225 |
イスラエル | 0 | ─ | 80 | 80 | 80 |
パキスタン | 0 | ─ | 100-120 | 100-120 | 100-120 |
インド | 0 | ─ | 90-110 | 90-110 | 90-110 |
北朝鮮 | 0 | ─ | <10 | <10 | <10 |
合計(概数) | 4000 | 180 | 6000 | 10100 | 16400 |
核兵器が開発されて以来日本だけが唯一の被爆国になった。 核兵器はその威力のゆえに核戦争はできないといわれてきた。 現に広島、長崎の原爆投下以降70年間 戦争で核兵器は使用されていない。
人類は太古以来絶えることなく戦争を繰り返し戦争の合間に平和が訪れたといってもいい。
核兵器の出現はこの流れをかえるのだろうか。皮肉に聞こえるが、人類は核兵器抜きの戦争だけの繰り返しに満足するのだろうか。
プロイセンの将校クラウゼヴィッツは戦争論で 『戦争とは他の手段をもってする政治の継続である』といった。
政治の延長であり、紛争解決の最終手段が戦争である。そうであれば戦争はれっきとした制度ということになる。
この古典的なクルゼヴィッツの定義は核兵器時代の戦争にも当てはまるのだろうか。
プーチン大統領の発言を機会にこの問題について考えてみたい。
同時に非核保有国であるわが国の防衛について考えてみたい。
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